『スラスラ読める Pythonふりがなプログラミング 増補改訂版 (ふりがなプログラミングシリ-ズ)』レビュー
出版社: インプレス
¥2,134 Kindle価格
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¥2,134 Kindle価格
プログラミング学習がつまずく理由は、知識不足だけではありません。 そもそもコードが読めないと、「今なにをしているのか」が分からなくなります。 分からない状態でページをめくり続けるのは、かなりしんどいです。
『スラスラ読める Pythonふりがなプログラミング 増補改訂版』は、この詰まりポイントを「プログラムの読み方をすべて載せる(ふりがなをふる)」という方法で突破する本です。 商品説明でも、登場するプログラムの読み方をすべて載せること、さらに漢文訓読の手法を取り入れて読み下し文を用意することが書かれています。 つまり、学ぶ前に「読める状態」を作る設計です。
漢文訓読って、順番が違う文章を、読みやすい順番に並べ替えて理解します。 それをコードに持ち込むのは、かなり賢いと思いました。
コードは、見た目がシンプルでも、頭の中で順番を組み立て直す必要があります。 1行1行が何を意味し、どう動くのか。 それが追えるようになると、いきなり“プログラマーっぽい”理解に近づきます。 この本が狙っているのは、その感覚だと思います。
入門者が苦しくなるのは、英単語の意味以前に「記号の並びに圧倒される」ことです。 そこで読み方が用意されていると、まず視線が止まります。 止まると読めます。 読めると、分からない部分が特定できます。 この順番を作れるだけで、学習のストレスはかなり下がります。
増補改訂版では、大きくして読みやすくした、と説明されています。 入門書って、内容よりも「読む体力」が先に尽きることがあります。 コードと説明を行き来しているうちに、視線の移動で疲れてしまう。 文字が小さいと、それだけで集中力が削られます。
この本は「究極のやさしさ」を目指したと書かれていて、そういう読み手の疲れも想定しているのだと感じました。
実際、プログラミング学習は「分からない」が連続します。 そのとき、文字の小ささやページの見づらさが重なると、一気に折れやすいです。 読みやすさに配慮がある本は、それだけで継続率が上がります。
増補改訂版では、データ分析への最初の一歩を踏み出す章が追加された、と説明されています。 統計情報とグラフ、2つの観点からPythonによるデータ分析の一端を体験できる。 この追加は大きいです。
Pythonを学ぶ動機として、「データ分析をやってみたい」が多いからです。 最初から難しい分析に行く必要はありませんが、最後まで基礎だけだとモチベーションが落ちます。 「学んだ先に何ができるか」を実感できる章があると、勉強が続きやすいです。
この章があると、基礎文法の学びが「点」ではなく「線」になります。 数字を集計する。 グラフにする。 結果を読む。 この一連の流れを少しでも体験できると、Python学習が急に現実とつながります。
商品説明には、対象読者がはっきり書かれています。
特に「挫折した人」を最初から対象に入れているのが、この本の良さです。 最初の一冊でうまくいかなかった人ほど、「読める」設計のありがたみが分かります。
また、仕事でPythonを使いたい人にも向きます。 業務で触るときに必要なのは、最短で「読んで直せる」状態になることです。 ゼロから書けなくても、既存のスクリプトを読めるようになるだけで、できることが増えます。 この本の読み方アプローチは、その近道になりやすいです。
おすすめは、毎回「読む」と「動かす」をセットにすることです。 本を読んだら、同じコードを自分の手で入力して、動かしてみる。 次に、数字や文字を1つだけ変えて、結果がどう変わるかを確認する。
この小さな改造ができるようになると、理解が一気に進みます。 ふりがなと読み下し文があると、改造のときにも「この行は何をしているか」が追いやすいです。
『Pythonふりがなプログラミング 増補改訂版』は、学習者の敵である「読めない」を、読み方の仕組みで解消する入門書です。 ふりがなと読み下し文でコードの意味を追えるようにし、さらにデータ分析の入口まで用意している。 もう一度Pythonへ挑戦したい人に、特に相性がいい一冊です。
入門書は「内容」よりも「続けられるか」が勝負です。 この本は、読み方を用意して、理解の足場を作ってくれます。 途中で折れた経験がある人ほど、再スタートの一冊として試す価値があると思います。