レビュー

概要

『プログレッシブ 英語コロケーション練習帳』は、「単語は知っているのに英文が自然にならない」問題に、コロケーション(よく一緒に使われる語の組み合わせ)で切り込む練習帳です。 英語の勉強って、単語帳と文法書だけだと、どこかで伸びが止まります。理由のひとつが「単語のつなげ方」を知らないこと。本書はそこを、練習問題で手を動かしながら埋めていけるのが特徴です。

読みどころ

1) 英文が「正しいけど不自然」から抜けられる

日本語で言いたいことがあると、知っている単語を無理やりつなげてしまいがちです。意味は通るけど、英語としてはぎこちない。本書のコロケーション練習は、その“ぎこちなさ”を減らすのに効きます。

2) 語彙が「点」ではなく「塊」で増える

単語を1つずつ覚えるより、「この動詞はこの名詞と結びつきやすい」みたいに塊で覚えると、アウトプットが速くなります。作文や英会話で詰まる時間が減る。結果として、英語が少し楽になります。

3) 練習帳なので、学んだつもりで終わりにくい

コロケーションの知識は、読むだけだと定着しにくいです。本書は“練習帳”なので、答え合わせを通して、自分の癖が見えます。間違い方がそのまま課題になるので、勉強の方向がぶれにくいです。

本の具体的な内容

本書の中心は、コロケーションを意識した穴埋めや言い換えの練習です。単語の意味だけで選ぶと引っかかるように作られていて、感覚で誤魔化しにくい。

たとえば「決断する」を知っていても、英語ではどの動詞と結びつくかで自然さが決まります。こういうズレが、積み重なるほど“英語っぽさ”が遠ざかっていく。本書はそのズレを、細かく拾っていくタイプの本だと思います。

また、英語学習に慣れてくると「意味が通るからOK」で止まりがちです。でも、仕事のメールやプレゼン、試験の英作文では、自然さや適切さが地味に差になります。本書を通すと、単語選びの基準が「意味」だけでなく「相性」に増える。ここが一段上の学習だと感じました。

伸びる使い方:例文を「一行だけ」増やす

練習帳は、解いて終わりにすると伸びが弱いです。おすすめは、正解したコロケーションでもいいので、自分の生活に寄せた例文を一行だけ作ること。英会話やライティングで使う場面を1回想像すると、記憶に残りやすくなります。

もうひとつは、似た意味の動詞を並べてしまう癖を減らすことです。日本語だと「する」で済む場面が多いので、英語では動詞選びが甘くなりがち。本書でコロケーションの“定番”を増やしておくと、表現の迷いが減って、文章が一気に滑らかになります。

具体例を挙げると、英語は「注目する」ひとつでも pay attention to のように“定番の塊”があり、塊を知らないと遠回りになります。同じように、take responsibility、make an effort、raise an issue といった組み合わせは、覚えておくと作文の速度が変わります。単語を知っているのに出てこない原因は、塊で覚えていないことが多い。本書はそこを練習で埋めてくれます。

「伝わるけど硬い英語」から抜けたい人にとって、かなり効くタイプの練習だと思います。

類書との比較

コロケーション本は、一覧を読んで終わるタイプもあります。そういう本は調べ物には強いけれど、身につくまでが遠い。本書は練習中心なので、覚えるというより“使える形にする”のが目的に近いです。コロケーションを知識から技能へ変換したい人向けだと思います。

英作文の添削でよく指摘されるのは、文法ミスより「単語の組み合わせ」のズレだったりします。意味は合っているのに、英語としては別の言い方が自然、というやつです。本書のような練習を挟むと、添削で同じ指摘を受ける回数が減る。地味だけど、一番コスパがいいポイントだと思います。

こんな人におすすめ

  • 単語と文法は一通りやったのに、英文が硬い人
  • 英作文やスピーキングで「その単語で合ってる?」と不安になる人
  • 自然な表現の引き出しを増やしたい人
  • 読むだけではなく、手を動かす教材が好きな人

感想

この本を読んで良かったのは、英語のミスが「知識不足」だけじゃなく「組み合わせ不足」だと腹落ちしたことです。単語を増やしても、つなぎ方が弱いと文章は育たない。 練習を積むほど、自分の癖が見えてくるので、地味だけど効きます。派手なテクニックではなく、英語の土台を底上げしたい人に向く一冊でした。

単語帳で伸び悩んでいるときほど、こういう練習が効きます。覚える量を増やすのではなく、知っている単語を「使える形」にする。勉強の方向を変えるきっかけとして、ちょうどいい練習帳だと思いました。

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    高橋 啓介

    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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