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レビュー

概要

『AYAトレ30日チャレンジノート』は、「運動が続かない」人に向けて、30日分の行動をノートの形に固定してくれるトレーニング本です。特徴は、1日あたり3〜6分という短さ、DVD付きで動きが確認できること、そして“書き込める”こと。読む本というより、使って終わらせる本です。

構成は、ENTRY(DAY1〜10)→STANDARD(DAY11〜20)→CHALLENGE(DAY21〜30)と段階が分かれ、できる前提ではなく「できるようにする前提」で作られています。さらに、AYAトレのルール10(体幹を意識する、呼吸を止めない、正しい姿勢を保つ等)を最初に置き、ただ動いて終わりにならないよう、身体の使い方の視点を先に入れてくれます。

プログラムは「毎日3〜6分、30日間」という縛りがあるからこそ、迷いが減ります。運動習慣がない人ほど、「何分やればいい?」「どれくらいきつくやる?」がブレて止まります。本書はそのブレを、日付とチェック欄で封じてくれる。さらにDVDで動きを確認できるので、テキストだけだと起きがちなフォーム崩れを補えるのも安心材料です。

読みどころ

1) 「1日5分」が、習慣化にちょうどいい

運動を始める人の多くが、最初に失敗するのは強度ではなく“設計”です。理想のメニューを立てても、生活に入らない。5分という短さは、体力の問題というより、摩擦の問題を解決します。

「今日は疲れたから無理」を起こしにくいし、「やるならジムに行かないと」も起こりにくい。短い運動は万能ではありませんが、継続の入口としては強い。30日分がノートとして並ぶことで、今日やることが決まっている状態を作れます。

本書の良さは、短い時間でも「トレーニングをした日」がカレンダー上に積み上がっていくところです。運動の継続は、“内容”より“連続性”が最初の壁になります。5分だからこそ連続を切りにくい。連続が切れにくいから、自己効力感が増える。こうした心理の設計が、ノート形式と相性が良いと感じました。

2) 有酸素+部位別の筋トレで、“体の線”を作る発想

本書のプログラムは、ウォーミングアップや有酸素運動に加えて、二の腕・美尻・くびれなど部位別の筋トレが組み込まれています。これは見た目の変化を早く感じやすい設計です。

ダイエットが続かない理由の1つは、体重の数字が動くまでに時間がかかること。でも、筋肉を使った感覚や、姿勢の変化は比較的早く出ます。短時間でも「今日はここが効いた」が残ると、次の日につながる。本書はその感覚を作るのが上手いと思います。

また、AYAトレのルールとして「背筋を伸ばす」「体幹(お腹)に力を入れる」「呼吸を止めない」といった基本が最初に提示されているので、部位別メニューが“雰囲気の筋トレ”になりにくい。フォームの意識が入るだけで、同じ5分でも体の使われ方が変わります。DVDとセットで確認しながら進めると、運動が苦手な人でも「できている感じ」が出やすいはずです。

3) “書き込む”から、挫折の原因が見える

この本がノート型である意味は大きいです。運動が続かないとき、原因は「意志が弱い」ではなく、「いつ・どこで・何が邪魔をしたか」が分かっていないことが多い。

達成チェックやメモ欄があると、「朝だと続く」「夜だと疲れて無理」「食事が乱れた日はやる気が落ちる」といったパターンが見えてきます。パターンが見えれば、対策が打てます。運動を“気分”から“運用”へ移せるのが、ノート形式の強みです。

本書には、トレーニングだけでなく食事のレシピやアドバイスが入っているのもポイントです。運動を始めても食事が荒れると、体の変化が見えにくくなり、モチベーションが落ちます。逆に、食事を整えようとして運動がゼロだと、気分が上がりにくい。本書はこの両方を、入門として無理のない範囲で並べてくれるので、「どっちかだけ」になりにくいと感じました。

類書との比較

動画レッスンやアプリは便利ですが、選択肢が多すぎて迷い、結局やらないことがあります。本書は30日分を固定し、迷う余地を減らします。さらにDVDがあるので、フォームの確認もできる。

一方で、筋トレを本格的にやりたい人や、負荷の細かい調整をしたい人には物足りないかもしれません。ただ、入門としては「まず30日続ける」が最重要です。本書はそこに全振りしています。

こんな人におすすめ

  • 運動を始めても、いつも1週間で止まってしまう人
  • ジムや器具なしで、まず身体を動かす習慣が欲しい人
  • 体重より、見た目や姿勢の変化を感じたい人
  • “やる気”ではなく“仕組み”で続けたい人

感想

運動が続かないのは、怠けではなく設計ミスです。本書はそのミスを、1日5分と30日固定のプログラムで潰してくれます。さらにノートに書き込むことで、やれた日・やれない日の差が可視化され、次の改善ができる。

トレーニングは、正しい方法より先に、続く形が必要です。続いたあとで、強度は上げられる。本書は“続く形”を最初に渡してくれる一冊でした。30日終えたとき、体の変化以上に、「自分は続けられる」という感覚が残る。その感覚が次の運動習慣の土台になると思います。

個人的には、30日を「完璧にこなす」より、「途切れても戻る」を優先して使うのが良いと思いました。途中で抜けた日があっても、ノートに空白が残るだけで、次の日に再開しやすい。アプリだと“途切れた感”が強く出てやめてしまうことがありますが、ノートは感情のハードルが低い。続けるための心理的設計が、紙の形で入っているのがこの本の強さだと感じました。

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    佐々木 健太

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