レビュー
概要
YouTube界隈で“両学長”として知られる両@リベ大学長が、経済的自由を達成するための行動指針を「貯める」「稼ぐ」「増やす」「守る」「使う」という5つの力に整理した実践書。動画では1トピックを15分程度で語っているが、本書はそれを章ごとの講義ノートに再構成し、質問形式のワークや最新制度(新NISA、iDeCo、クレジットカードのポイント還元)のチェックリストを随所に挿入。2024年の改訂では、「先進的な資産形成」だけでなく、リスク回避のための保険・不動産・税金の具体的な設計が増補され、初版よりシステマティックに「今日の行動」を書き出せるようになった。
読みどころ
- 第1章「貯める」では、光熱費や通信費などの固定費を「月次シート」に書き出し、支出のピークを一目で見渡せるグラフを提示する。両学長の家計改善経験を例に、携帯キャリアの乗り換えやふるさと納税の工夫をステップで示し、「10円の差」ではなく「20分の時間」を捻出する思考法が実感できる。
- 第3章「稼ぐ・増やす」では、副業、ブログ、投資のそれぞれに必要な行動を4段階で図解。とくに新NISAの枠組みについて、つみたてNISAと一般NISAの使い分けを表で整理し、非課税期間・恒久化のタイミングを赤線で示している。失敗談を交えたコラムでは、暴落時のパニック売りと向き合うため、損失を“損益分岐”に直結させるメンタルルーチンを紹介する。
- 終盤の「守る・使う」パートでは、保険契約の見直しチェックリストが掲載され、自動車保険、医療保険、火災保険の“ダブり”を一発で判別できるツールが付属。さらに、人生のリッチリストを自作するワークを通じ、自由に使うお金の基準を明文化することで、支出不足ではなく「意味のある支出」に集中できるようになる。
類書との比較
『金持ち父さん貧乏父さん』や『お金持ちになる方法』が資産形成のマインドセットを説くのに対し、『お金の大学』は“行動のテンプレート”を提供する点で差別化される。たとえば『スタンフォード式 最高の睡眠』がナラティブ中心なのに対して、本書は“週次シート”や“家計アンカー表”という具体的なフォーマットを載せる。『独学大全』のような学習術と組み合わせても違和感がなく、習慣化の仕組みを補完する構成である。
こんな人におすすめ
- 会社員として時間を切り売りする働き方から抜け出し、自分の時間と収入を増やしたい人。
- 自分で家計リテラシーを高めたいが、何から手をつければよいか分からない新婚・育児世代。
- 投資口座を持っているが、制度変更や税制面で「本当にこれでよいか」と不安を抱える人。
感想
両学長の動画を文字で読むようなスピード感がありながら、書籍版ではチェックリスト・ワークシート・巻末Q&Aが充実しているので「あとで見返せる自分専用の教科書」になる。とくに新NISAの章は、ページを開いているだけで来年の投資戦略が手に取るように分かり、自分の銘柄ポートフォリオを紙に書き出す習慣がついた。読んだ後、「明日の朝、いつもより早起きしてレシートを整理しよう」という具体的なアクションが続いたので、自由とは知識ではなく体の動かし方だと改めて実感した。