レビュー
概要
『薬屋のひとりごと』第1巻は、薬屋見習いの少女・猫猫が、古代中国風の宮廷で薬と推理で事件を解決する物語。主人公には薬草の知識と推理力があり、不穏な事件を縦横無尽に分析していき、王宮の陰謀を暴く。物語は女子視点を軸に、おしゃれな描写とともに、薬の作用・毒の解説を垣間見せ、ミステリー+薬学的な魅力を同時に繰り広げる。
読みどころ
1) 薬の知識を推理に活かす
猫猫が「痕跡」として残る薬草の断片を観察し、毒の種類を断定するプロセスは科学の観察そのまま。手に取るハーブの香りや色、傷の深さまでも描写し、薬が持つ物理的効能をわかりやすく伝える。
2) 宮廷の陰謀と人間関係
皇帝の側近や王妃、後宮の女官たちとの交渉は、信頼と猜疑が絶えず入れ替わる。猫猫が「何が欲しいのか」を読み解きながら、水面下の政争を可視化していく。
3) 画面の美しさ
絵柄は厚みのある線と柔らかな着色で、薬瓶や和漢薬の容器の質感が伝わってくる。歴史的装束の細部や植物の描き込みが丁寧で、読むほどに世界観に浸る。
類書との比較
医学×ミステリーの構造では『ドクターストーン』や『神様のカルテ』と響きながら、こちらは古代風の宮廷が舞台。薬学+推理という要素をバランスよく配置し、歴史ロマンと知的興奮を同居させる点が特徴。
こんな人におすすめ
- 薬や毒の知識を物語で学びたい人
- ミステリーを古代世界で味わいたい読者
- 学問的な視点を持つヒロインに惹かれる人
感想
薬の知識が謎を解く鍵となる様子が爽快で、たびたび挟まれる香りや味の描写が心地よい。先の展開が読めず、おそらく次巻も追いたくなる導入でした。