レビュー
概要
『ブラッククローバー』1巻では、魔力のない少年・アスタが「声」と「筋肉」で魔法世界に挑む英雄譚。魔法使いとは対照的に、アスタは体のリズムと呼吸で魔力の代わりにパンチを刻むことで、自らの存在証明と仲間の信頼を再構築する。
読みどころ
- 訓練シーンでは、アスタの筋肉や呼吸のテンポが細かく描かれ、魔法使いのスロウなリズムに対し、彼の高速な心拍が対照的な振動を生む描写が連続する。
- 第一試験では、極限状態で身体を素早く振動させ、魔法に替わる「肉体の音」で対戦相手を翻弄。コマ割りのリズムが拳の回転と一致するように計算されている。
- 魔力がないとバカにされながら、体で描くリズムと仲間の応援が同期していく様は、身体的な共同体感覚の再構築を象徴している。
類書との比較
魔法少年譚として『僕のヒーローアカデミア』に通じるが、本作は魔法を“音”として再構成することで、身体のリズムと精神が等置される点で独自。
感想
アスタのパンチと呼吸のシンクロが読み手に「身体で魔法を作る」感覚を与え、心拍が高まる瞬間が何度も訪れた。