レビュー
概要
表面上は交際しつつ、心の中では他人への片想いを抱える2人の男女が織りなす心理描写が中心。主人公の花火と、叶えたい恋に向き合う彼らの姿が、自己嫌悪と快楽の間で揺れる。第1巻では、社会的に見える「理想像」と本音のズレを、繊細なモノローグと視線で描き分ける。
読みどころ
- セリフよりも見開きの構図で心理のズレを描く。集中するような目のアップと、背景のノイズが色気を放つ。
- 主人公の心理で、実際の行動と口に出さない本音が重なる。その差が読者の胸をギュッとする。
- 物語の終盤では、嫉妬と正義の間で登場人物が苦悩し、愛情の歪みが際立ってくる。
類書との比較
『凪のお暇』が再生の豊かさを描くのに対し、『クズの本懐』は毒を持った恋を追求。『私がモテてどうすんだ』のようなドタバタとは違い、サイケデリックな心理の波を描いている。
こんな人におすすめ
- フィクションとしての毒々しい恋愛、裏腹な関係を楽しむ方。
- 美しい絵柄と裏腹に歪んだ愛情を求める読者。
- 心理的に揺れる関係をじっくり追いたい方。
感想
愛と欲の境界を静かに照らし、見れば見るほど人物の内面が蠢く。次巻以降の破綻が怖くも楽しみになる。