レビュー
概要
英国の秘密組織ヘルシングが描く超常ホラーの出発点。物語は、怪物と化した吸血鬼の群れやナチス残党が人類を脅かす中、孤高の吸血鬼・アーカードと美しき女司祭インテグラの二人が、国を守るために街の闇を清掃する様子から始まる。第1巻では、ロンドン中心部に“いまだに生きる怪物”が出現し、ヘルシングがその掃討に乗り出す。
読みどころ
- アーカードの姿を捉えた最初の登場カットは、ブラック&ホワイトの濃密なコントラストで描かれ、奥行きのあるブラシワークが恐怖と耽美を同居させる。
- 科学的な解説と神秘的な要素を同時に流しながら、ナチスと吸血鬼が絡む陰謀を示す。博士や軍人たちの会議も挿入され、設定の広さとビジュアルの重厚さが伝わる。
- 1巻後半でアーカードが怪物たちに踏み込むシーンでは、銃弾の軌跡や肉体の裂け方が細密に描写され、戦闘の臨場感が極限まで上がる。
類書との比較
同じ吸血鬼モノの『トラヴァース』的な優雅さより、リアルに格闘と聖戦の雰囲気を併せ持つ。『BLOOD+』よりも暴力的で、哲学よりも血の一滴の価値に注目している。
こんな人におすすめ
- ゴシックホラーのビジュアルと、軍事的な緊張を掛け合わせた作品が読みたい人。
- 吸血鬼を善悪を越えて描く哲学的な角度に惹かれる読者。
- 漫画的な美術と暴力を徹底的に楽しみたい方。
感想
黒いスーツと真紅の血が画面を支配する1巻は、一撃勝負の瞬発力で読者を掴む。アーカードとインテグラの信頼関係が、暴力の中でも強く輝いている。