レビュー

概要

冒険と絆を描いた人気バトルアドベンチャーの出発点。天才少年ゴンがリュウセイと共に「ハンター試験」に挑み、未知の生物、秘境、試験官との勝負を通じて友情と強さを学ぶ。1巻は試験の序盤であるが、ゴンの「約束を果たす」姿勢が何よりの軸であり、彼の純真さがマチュリティを牽引する。

読みどころ

  • 試験の第1関門では、受験生たちの紹介と共に、肉体の限界を試すフィジカル描写が続く。コマ内に数値やコンディションを入れ、体力の消耗が力強く伝わる。能力の差ではなく、判断の違いによって勝敗が切り替わる構造が面白い。
  • ゴンとキルアの契約や、義父から受け継いだ釣り竿との対話が、ただの戦闘マンガにならない厚みを与える。友情の前に立ちはだかる「人を試す仕組み」が連続するので、読者の倫理感が揺さぶられる。
  • クライマックスの山場では、ボスキャラとの心理戦が緊張に拍車をかける。連続したギアのようにスピードと静けさが切り替わり、視線の変更だけでも対話が成立する。

類書との比較

『DRAGON BALL』のようなバトルと冒険の両立はあるが、『HUNTER×HUNTER』はシステムと理屈の緻密さが際立つ。また、『BERSERK』的なダークファンタジー要素と、『約束のネバーランド』の心理的ゲーム要素が融合しており、単なる少年マンガの枠を超えた緊張を発生させる。『ジョジョ』ほどの奇抜性はないが、合理性と変則性の間で揺れる点が魅力。

こんな人におすすめ

  • 少年マンガ好きだけでなく、戦略と心理を楽しむ読者。
  • かわいいキャラと重厚なギミックを同時に味わいたい人。
  • 「絆と約束」がどこまで戦う原動力になれるかに興味がある方。

感想

ゴンの無邪気さと、ハンター試験のサバイバルの危険性がいったん溶け合い、緊張と安らぎを交互に繰り返す。作者の巧みな構図が、たとえば足元の影だけで動きを見せるシーンを成立させ、読後には強さは力だけではないと染みてくる。今後の巻に期待を抱く導入だった。

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