レビュー

概要

19世紀末イギリスを舞台に、ジョナサン・ジョースターと吸血鬼・ディオ・ブランドーの宿命的な対決が描かれる第1部の幕開け。ジョナサンは家族や騎士道に生きる青年だが、ディオの台頭によって、世界の理が揺らぎ、彼自身も超能力「波紋」の修行に励む。1巻では、ディオの存在がジョナサンの人生の方向を変え、吸血鬼の復活がジョジョの気高さと肉体を試すかのように迫ってくる。

読みどころ

  • ディオの冷徹な笑みと、ジョナサンの柔らかな雰囲気の対比が画全体に鮮烈な空気を生む。第1部ならではのクラシカルな舞台設定と、血の気に満ちた戦闘描写のギャップが、これから始まる「奇妙さ」の序章として十分な衝撃を持っている。
  • 波紋を使用する場面では、呼吸と血の流れを幾何学的に表現し、コマの中に静的な空間と躍動的なエネルギーを同居させている。師匠のリサリサとの修業シーンも描かれ、波紋の構造を読者に伝えるセリフと視覚がバランスよく並ぶ。
  • 1巻後半の船上戦でジョナサンとディオが接近戦を繰り広げると、アルティメットな超能力バトルの予感が高まり、ディオが異常な戦略を持っていることが明確になる。

類書との比較

超能力バトルでは『北斗の拳』の肉体描写に近い重厚さがあるが、『ジョジョ』はスタイリッシュな構図とファッション性でそれを飾る。『幽☆遊☆白書』が霊界と戦う構造を持つのに対し、本作は現世の貴族たちや吸血鬼をスタンド的な賛美を込めて対峙させる。時代背景・絵柄・奇怪な生命力を三位一体で成立させた点が類書より異彩。

こんな人におすすめ

  • 演劇的な構図を好むビジュアル重視の漫画愛好家。
  • サイエンス・ファンタジーとゴシック・ホラーの混ざる空気を楽しみたい読者。
  • 正義と野心の衝突を、スタイリッシュに描いた物語を探している人。

感想

ディオがジョナサンに放つ言葉と笑みが、単なる敵役の枠を超えて個性を際立たせていた。波紋による戦いの描写は、単純なエネルギーの撃ち合いではなく、呼吸の節奏と心の重さを同時に扱うので、戦いの画が静まりながらも脈打っているようだった。クラシカルな舞台と超自然が混ざる瞬間に、次巻への期待が高まった。

本の虫達

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  • 高橋 啓介

    高橋 啓介

    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    出版社勤務を経てフリーライターに。小説からビジネス書、漫画まで幅広く読む雑食系読書家。Z世代の視点から現代的な読書の楽しみ方を発信。
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    佐々木 健太

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