レビュー

概要

『カメラはじめます!』は、デジタル一眼カメラを触ったことがない人でも、「覚えることは3つだけ」という割り切りで写真を変えていく入門書です。紀伊國屋書店の内容説明でも、初心者・機械オンチ・センスゼロでも大丈夫、としつつ、マンガでわかるデジタル一眼カメラの教科書、と紹介されています。Amazonの商品説明も同様に、専門用語やマニュアル、センスはいらない、と背中を押します。

目次は、第1章プロローグから始まり、第2章が「運命のカメラとの出合い方」。第3章で「覚えることは3つだけ!カメラのコツ」を扱い、第4章で写真のコツ、第5章で一眼でしか撮れない世界へ進みます。第6章は思わず見せたくなる写真の作り方、第7章は売れる写真を撮るプロのテクニック、最終章はカメラのあるちょっといい毎日。入門から応用まで階段が用意されています。

読みどころ

1) 第2章「運命のカメラとの出合い方」で、買う前の迷いが減る

カメラ初心者が最初に詰まるのは、撮り方より選び方かもしれません。本書は第2章で、運命のカメラとの出合い方を扱い、買う前の迷いを整理します。

この段階で大事なのは、スペックの暗記ではなく、「何を撮りたいか」と「どれくらい持ち歩くか」です。撮りたいものと生活に合うサイズ感が噛み合うと、カメラは続きます。ここを先に置く構成が親切です。

2) 第3章の「覚えることは3つだけ」が、初心者を救う

一眼には機能が多く、全部覚えようとして挫折しがちです。本書はそこを正面から切って、「3つだけ」に絞ります。大事なのは、何を覚えるか以上に、「覚えない」と決めることです。

覚える量が決まると、練習の仕方も決まります。まずは3つを触って、写真がどう変わるかを体感する。体感できると、専門用語の怖さが減ります。

3) 第4章と第6章で、「センス」の正体を分解してくれる

センスがない、と感じるときって、実は原因が分からないだけだったりします。第4章は「知っているだけでセンスいいねと言われる!写真のコツ」として、見た目が変わるポイントを整理します。

さらに第6章の「思わず見せたくなるステキな写真のつくり方」で、撮って終わりではなく、見せたくなる形まで持っていく。初心者が求めるのは、プロの技術より「ちょっと嬉しい成功体験」だと思うので、この章立てが効きます。

4) 第5章「一眼でしか撮れない世界」で、スマホとの差が腹落ちする

スマホが高性能になった今、一眼の意味が分からないまま買うと、置物になりがちです。本書は第5章で「デジタル一眼カメラでしか撮れない世界」を扱い、差が出る場面を見せてくれます。

「オートで撮ったけど思った通りに撮れない」「残念な写真の原因が分からない」といった悩みに対して、カメラ側で調整できる余地があることを、順番に教えてくれる印象です。

読み方のコツ:章立てを「練習の順番」にする

カメラの上達は、知識より“手を動かす順番”が大事だと思います。本書は目次がそのまま練習の順番になっています。第2章で選び方を整え、第3章で覚えることを3つに絞る。次に第4章で写真のコツを入れ、5章で一眼の強みを理解する。この流れで読むと、覚えたことがすぐ撮影に結びつきます。

一眼の強みは、例えば背景のボケ方や光の入り方など、スマホとは違う「写りの幅」が出るところです。第5章でそれを見ておくと、「この写真を撮りたいから、ここを触る」という目的が持てます。目的があると、専門用語も怖くなくなります。

第7章には「売れる写真を撮るプロのテクニック」がありますが、ここは初心者でも読む価値があります。プロの工夫は、奇抜な技より「再現できる型」になっていることが多いからです。入門から応用まで見せてくれる構成が、本書の安心感につながっています。

最終章が良い:カメラを「イベント」ではなく「習慣」にしてくれる

入門書は撮り方で終わりがちですが、本書は最終章で「カメラのあるちょっといい毎日」まで扱います。ここがあると、カメラが旅行やイベントだけの道具ではなく、普段の生活の中で使うものとしてイメージしやすいです。

「買ったのに触らなくなる」を避けるには、持ち歩きやすさと、撮るきっかけが必要です。目次の流れで読みながら、自分の生活に合う場面を決めておくと、続きやすくなります。

こんな人におすすめ

  • 一眼を買った(または買いたい)が、何から始めればいいか分からない
  • オート撮影から先に進めず、写真が思い通りにならない
  • 専門用語やマニュアルが苦手で挫折しそう
  • スマホ写真から一歩進んだ表現をしたい

まとめ

『カメラはじめます!』は、初心者が挫折する理由を「覚える量」と「順番」の問題として解決してくれる本です。選び方から入り、3つに絞って体感させ、写真のコツへ進む。入門書なのに最終章まであるのは、カメラを生活に入れるところまで見ているからだと思います。

まずは1冊で、カメラの世界の入口を安心して歩きたい人におすすめです。

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