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レビュー

新NISAは、制度としては分かりやすいです。非課税で投資ができる。長期の資産形成に有利。ここまでは誰でも言えます。難しいのは、その次です。何を買うのか。どう続けるのか。続ける途中で不安になったとき、何を根拠に戻るのか。本書は、その難所に焦点を当てた入門書です。

紹介文では、約6000本ある投資信託の中で「買ってもいいのは、この9本」と明言されています。さらに、窓口で勧められた投資信託ではなく、自分で選ぶことが強調されています。ここが重要です。資産形成の失敗は、商品選びだけでは起きません。「判断を他人へ委ねた」時点で起きます。相場が下がったときに、腹落ちして続けられないからです。

本書の構成は、目次からも分かります。プロローグでは「つみたてNISA」「新NISA」でお金に困らない人生を手に入れよう、と方向性を定めます。第1章は資産形成の目的の整理です。第2章では、制度として新NISAが強い理由を説明します。第3章は、投資信託の「裏知識」です。第4章で本当にいい投資信託を選ぶときに大事なことを示し、第5章でよくある疑問に答える流れです。目的→制度→商品の見方→運用の疑問という順番なので、実務的です。

紹介文のレビュー欄では、平均リターンが6%得られた場合に15年後の利益が2900万円になる、といった具体的な数字が示されています。また、世界株式への分散投資は17年間の平均で年7%のリターン、といった説明も出てきます。こうした数字は、未来を保証するものではありません。ですが、判断の基準としては役に立ちます。数字がないと、相場が荒れたときに「なんとなく不安」で売ってしまいます。数字があると、「想定内のブレ」として扱えます。

本書が繰り返し強調しているのは、長期・分散・積立です。紹介文でも、どれか1本を買ってコツコツ続けるだけで十分な資産形成ができる、と説明されています。ここは、人によっては拍子抜けします。もっと複雑な戦略を期待する人もいるからです。けれど資産形成で一番強いのは、複雑さではなく継続です。継続を壊すのは、選択肢の多さと、理解の浅さです。本書は「選択肢を9本に絞る」という形で、迷いを減らし、継続を守ろうとします。

面白いのは、「買ってはいけない」側の話も入っている点です。紹介文のレビュー欄には、テーマ型ファンドを例に「こんな投資信託は買ってはいけない!」というコラムが載っています。資産形成は、何を買うかより、何を買わないかで差がつきます。手数料が高い商品、分かりにくい商品、期待だけで設計された商品。こうしたものを避けられるだけで、失敗確率が下がります。本書は、その視点をくれます。

この本を読むときのコツは、9本の名前だけを探さないことです。本当に価値があるのは、選ぶ基準です。基準があれば、制度が変わっても応用できます。紹介文の最後でも、選ぶ基準が分からないのに選択肢が多いと迷ってしまうだけだと書かれています。迷いを減らすには、基準が必要です。

「新NISAが最強」の理由を、制度として理解できる

目次の第2章は「おトクな制度の中で新NISAが最強の理由」となっています。レビュー欄でも、新NISAのしくみとして、口座開設期間の恒久化や非課税保有期間の無期限化、つみたて投資枠と成長投資枠といった要素が並びます。ここを制度として腹落ちさせると、短期の価格変動に振り回されにくくなります。制度の意図が分かると、やるべき行動が見えるからです。

「投資信託の裏知識」を先に知ると、地雷を踏みにくい

第3章が「投資信託の裏知識」とされているのも実務的です。レビュー欄では、約6000本ある投資信託のうち、つみたて投資枠で買えるのは246本だという説明も出てきます。本数が多い市場で迷うのは当然です。だからこそ、最初に「選択肢は実は絞られている」と知るだけでも気持ちが楽になります。

また、レビュー欄には「新NISAの6つの注意点」といった表現もあります。制度はおトクですが、万能ではありません。注意点を先に知っておくと、始めたあとに想定外の不安が減ります。投資の継続を壊すのは、だいたい想定外の出来事です。

読後にやるべきことは、行動の自動化です

本書が示す長期・分散・積立は、正しいけれど退屈です。退屈だから続きます。退屈にするには、自動化が必要です。毎月積み立てを設定し、買う商品を固定し、見ない時間を増やす。こういう設計ができると、感情の介入が減ります。

本書は、選択肢を9本に絞ることで、この自動化を助けます。商品が決まらないと設定ができません。設定ができないと続きません。続かないと資産は増えません。結局、最大のボトルネックは「最初の1回を決めること」です。本書は、その1回を決めやすくする本だと感じました。

注意点として、投資は必ず価格変動があります。短期で増やす話ではありません。だからこそ、本書が示すように、しくみを作って長期間コツコツ続ける発想が重要になります。続けるには、制度の理解と、商品の理解と、自分の不安の扱い方が必要です。本書はその3つを、順番に整えてくれる入門書だと感じました。

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    佐々木 健太

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