レビュー
「言いたいのに出てこない」を、反射に変えるトレーニング本
英語の勉強って、読むのはできるのに話せない、で止まりがちです。
文法は分かる。単語も知っている。でも会話になると、頭の中で日本語を組み立ててしまって、口が遅れる。
『森沢洋介の話せる瞬間英作文 ビジネス:文法別』は、その遅れを「瞬間英作文」というトレーニングで縮めるための本です。
やさしく簡単な英文を、スピーディーに大量に作っていく。そうやって、英語を出す回路を体に作るという発想が中心にあります。
文法別なので、弱点の穴埋めがしやすい
ビジネス英語の本は、フレーズ集に寄りすぎると応用が効きません。
一方で、文法書に寄りすぎると、話す練習が足りない。
本書は「文法別」という形で、その中間にいます。
中学1〜3年レベルの文法事項ごとに並んでいるので、自分が詰まるところをピンポイントで鍛えられます。thisやthatの感覚、過去形、when節、間接疑問文など、会話で頻出なのに意外と口から出ない要素を、まとめて反復できます。
例文がビジネス寄りだから、学んだ瞬間に使える
瞬間英作文は、教材の例文が日常寄りだと「仕事の場で言いたいこと」とズレることがあります。
本書はビジネスで使える例文を採用していると紹介されています。学んだ瞬間に使い道が見える。そこが強みです。
たとえば、依頼、謝罪、報告、スケジュール調整。
こういう場面はテンプレが多いので、反射で出るようになると一気に楽になります。TOEIC L&Rにも対応とされているので、学習の成果を指標で確認したい人にも向きます。
暗記より「瞬発力」を育てる設計
英語学習は、暗記を頑張ったのに本番で出てこない、が一番つらいです。
瞬間英作文は、暗記に寄せず「作る練習」に寄せるので、学習の手応えが分かりやすいタイプだと思います。
もちろん、反復は必要です。
ただ、反復の中身が「単語帳」ではなく「英文生成」なので、使える形で積み上がります。英語を話す練習量が足りない人ほど、伸びを感じやすいはずです。
文法の並びを「会話の型」として覚えられる
文法は知識として覚えると、テストでは解けても会話では出てきません。
この本は文法別に例文を回すので、文法そのものが“会話の型”として体に入っていきます。
たとえば、依頼の言い回しを過去形や助動詞で柔らかくする、条件をwhen節で付け足す、間接疑問文で角を立てずに確認する。
こうした型が反射で出るようになると、ビジネス英語は一気に話しやすくなります。
おすすめの使い方:毎日10分、声に出して即答する
この本は、机に向かって読むより、声に出すほうが効果を出しやすいです。
おすすめは、毎日10分だけでも「日本語→即英語」を続けることです。
最初は詰まって当然なので、詰まった文法項目だけを翌日も繰り返す。
週単位で“詰まりポイント”が減っていくのを確認できると、勉強が続きます。
伸びやすいチェックポイント:スピードと「言い直しの少なさ」
瞬間英作文の成果は、単純に正解率だけでは見えにくいです。
おすすめは、スピードと、言い直しの回数で見ることです。
同じ例文を何周かすると、最初は10秒かかっていたのが5秒になる。
言い直しが減って、口が止まらなくなる。その変化が出てきたら、回路が育っているサインです。
TOEIC L&Rと相性がいい理由:文法が「瞬発」で使えるようになるから
TOEICは読む・聞く中心です。文法を瞬時に組み立てる力は、結果的に理解力にも返ってきます。
文法が迷子にならないと、長文でも情報を取りやすくなるからです。
話す力を伸ばしつつ、文法の基礎を鍛え直したい人にとって、本書のトレーニングは二兎を追いやすい形だと思います。
英語のアウトプットに慣れるほど、入力の精度も上がっていきます。
英語は、勉強量より「口に出した回数」で伸びる感覚があります。
短時間でも毎日積み上げたい人には、相性がいいはずです。
通勤前の10分でも、積み上げの差が出ます。
こんな人におすすめ
- 文法も単語も勉強してきたのに、会話で口が動かない人
- フレーズ集ではなく、文法の型で話せる英語を作りたい人
- ビジネス場面でよく使う英文を、反射で出せるようになりたい人
- TOEIC L&Rの学習と並行して、アウトプット力も伸ばしたい人
まとめ
『森沢洋介の話せる瞬間英作文 ビジネス:文法別』は、「話せない原因」を練習の形式で解決するトレーニング本です。
文法別に弱点を潰しながら、ビジネスで使える例文を反復して、反射の回路を作る。英語を話す力を、手応えのある形で伸ばしたい人に向いている一冊だと思います。