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レビュー

概要

『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』は、21歳でステージIVの大腸がんを宣告された遠藤和さんが、結婚、出産、子育て、そして死を前にした時間を綴った記録です。2021年に刊行された単行本をもとに、2026年6月に小学館文庫から文庫版が刊行予定となっています。

小学館の文庫版紹介では、これは 映画のもととなった愛の実話 と案内されており、娘と父の5年間の暮らしを綴った特別寄稿が加わる点も特徴です。単なる闘病記ではなく、母になること、家族を遺していくこと、残された家族がその後をどう生きるかまで含めた家族の物語として位置づけられています。

読みどころ

最大の読みどころは、病や死を特別な悲劇としてだけ描かず、結婚、妊娠、出産、子育てといった生活の手触りの中で記録している点です。小学館の紹介文では、和さんが亡くなる10日前まで日記を書き続けたと説明されており、その記録は1歳の娘と夫に遺した 愛の記録 とされています。

また、文庫版には 娘と父の5年間の暮らし を綴った特別寄稿が追加されます。ここにより、当事者の記録に加えて、死別後に残された家族の時間も見える構成になる点が大きいです。グリーフケアの本としても、親子の本としても読める広がりがあります。

本書の重要ポイント

公開情報から整理して重要だと感じるのは、次の3点です。

  1. 病気の進行と家族の選択が、生活の記録として残されていること
  2. 子どもに会いたい、母になりたいという願いが物語の中心にあること
  3. 文庫版では、遺された家族の時間まで視野に入ること

喪失を扱う本は多いですが、本書は 別れたあとどう悲しむか だけではなく、 生きている間に何を選び、何を遺したか に重心があります。そこが、単なる闘病記とも、単なる感動の実話とも違うところです。

気になった点

現時点では文庫版発売前のため、特別寄稿の具体的な分量や、再構成の程度までは確認できていません。単行本から何が補強されているか、死別後の父娘の時間がどのくらい丁寧に描かれているかは、発売後に本文確認が必要です。

まとめ

『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』は、母になることと死を前にすることが同時にあった時間を記録した家族の本です。文庫版では、その先に続く父娘の暮らしも加わることで、喪失のあとをどう生きるかまで含めた一冊として読み直される価値があります。

死別やグリーフケアを扱う本を探している人だけでなく、子どもに何を残せるか、家族と生きる時間をどう受け止めるかを考えたい人に届く本です。

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