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レビュー

概要

『ドロップぽろぽろ』は、中前結花によるエッセイ集です。講談社の書誌情報では、幻の私家版エッセイ集として話題になった同名作品をもとに、既存9篇を大幅に改稿し、6篇を新たに書き下ろした全15篇で構成されると紹介されています。

扱われるのは、日常の中でぽろぽろと涙がこぼれた瞬間です。ただし、悲しみに沈む本ではありません。嬉し涙、悔し涙、説明のつかない涙を拾い集めながら、大真面目だけど少しおかしく、少し切ない温度で読ませる本になっています。

読みどころ

本書の良さは、感情の大きさより、感情が生まれた瞬間の温度を丁寧に残しているところにあります。版元情報のキャッチコピーに「読み終わったら、大切な人に電話したくなる」とあるのも納得で、劇的な出来事より、ふとした言葉や記憶の残り方に力がある本だとわかります。

著者は2017年に「ほぼ日」掲載のエッセイが話題になり、その後さまざまな働き方を経て作家になった人物です。暮らしの輪郭を言葉にする感度が高く、温かさだけでなくユーモアも感じさせる書き手として読まれている理由が、公開情報だけでも見えてきます。

向いている人

  • やさしい余韻の残るエッセイを読みたい人
  • 泣ける本でも重すぎるものは避けたい人
  • 日常の小さな出来事を大事にしたい人
  • 私家版から商業出版へ広がった話題作が気になる人

気になる点

未刊行本のため、各篇の厚みや読み味の差までは本文で確かめたいところです。ただ、目次の並びと紹介文からは、食べもの、家族、友人、過去の記憶など、かなり生活に近い題材が多いことが伝わってきます。

まとめ

『ドロップぽろぽろ』は、感情を大げさに dramatize せず、あとからじわっと効いてくるタイプのエッセイ集として期待できます。あたたかい言葉で気持ちを整えたい読者に向いた一冊です。

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    佐々木 健太

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