レビュー
概要
『ハイスクール!奇面組』第1巻は、不条理なギャグとシュールな展開で一世を風靡した学園漫画のスタート。主人公の奇面組(神無、暗路、蛮、ドトなど)と彼らを取り巻く教師や同級生たちが、常識を無視した奇行を繰り返す。基本的なルールは「とにかく顔を変えろ」「無理なことをやろう」というもので、登場人物たちの顔や体を即座に変形させる描写が繰り返される。そのぶっ飛び方が読者の想像力を掻き立てる。
読みどころ
1) 変形ギャグの連打
神無が突然顔を延ばしたり、ドトが腹の中から中華まんを取り出したり、画力とテンポで笑いを導く。1巻では、校門で暴走する群衆を鎮めるために風呂に飛び込み、体の一部が別のキャラになるなど予測不能な展開が続く。
2) 枠を壊す構図
線の太さやコマの割り方が壊れており、作者がページを一度に破壊し、キャラクターの冷静さが崩れる様がビジュアル的に強いインパクトを与える。例えば、3ページに渡る長い顔のズームは、読む者の視線を強制的に引き寄せ、笑いの余剰を発生させる。
3) 日常と非現実の境界
学園の風景(階段、教室、風紀委員会)を背景に、非現実的な事件(教室の机が空を飛ぶ、教師が巨大化)が起きることで、学校生活が奇天烈なカオスに染まる。シュールなコントが地に足のある舞台感と崩れながらも響き、読者に「ここは何だ?」という感覚を与え続ける。
類書との比較
ギャグ漫画では『銀魂』のような時事ネタもあるが、『奇面組』は時代を問わず、身体の変形そのものを笑いにするアプローチで異色。『ボボボーボ・ボーボボ』よりもシンプルな構造で、顔面の破壊的表現に集中するマニアックさが魅力。
こんな人におすすめ
- シンプルに「顔面ギャグ」を味わいたい読者
- 80年代の少年漫画らしい破壊的なテンポが好きな人
- 学園風景に非現実を溶かすコンビネーションを楽しみたい人
感想
読むと予測不能なジョークに翻弄され、笑いながらも頭の中がふわっと浮く。奇天烈な笑いは今も色褪せず、予告通り「奇」面組のエネルギーを体感できる1巻だった。