レビュー
概要
『犬夜叉』第1巻は、時空を超える旅と妖怪の物語を現代の少女・日暮かごめの視点で始めるファンタジー。封印された半妖・犬夜叉と現代から飛ばされたかごめが出会い、四魂のかけらを集める冒険が幕を開ける。現代と戦国を行き来する語り口、妖怪の暴力と人間の優しさが複雑に絡みあい、全体としてファンタジーの王道を飽きさせず描きだす。
読みどころ
1) 時空のズレで蘇る葛藤
高校生のかごめが戦国時代へ落ちる導入では、現代の論理と昔の常識がぶつかる。彼女が持つ弓矢が妖怪を封じ、かつての夢を思い出させる描写が懐かしさと新しさを両立させる。
2) 犬夜叉の正義感
半妖として人間にも妖怪にも差別される犬夜叉が、素直な怒りと優しさを持ち合わせ、かごめと協力する過程が厚い。人間から「危ない」と言われる彼が「守るべき仲間」と出会うことで変化する様に注目。
3) 妖怪との対決と古風な言葉
妖怪の描写は恐ろしさとユーモアを併せ持ち、古語+スラングが混在したセリフが味わい。その中で、かごめのツッコミがストレス解消の役割を果たす。
類書との比較
「戦国」を舞台にした冒険譚として『戦国妖狐』があるが、『犬夜叉』は妖怪や恋愛、バトル、コメディを一体化させた。『るろうに剣心』よりもファンタジー要素が強く、『封神演義』よりも青春的な距離感がある。
こんな人におすすめ
- 少年少女の成長と異世界の融合が好きな人
- 妖怪バトルとギャグのバランスを楽しみたい読者
- 戦国時代の空気を大衆向けに体験したい人
感想
1巻の終盤、「四魂のかけら」をめぐる戦いで犬夜叉とかごめが手を取り合う場面が胸に残る。強さを誇示するのではなく、仲間のために戦う姿がつよく印象に残り、今でも続巻を読みたくなるスタートだった。