レビュー
概要
『あそびあそばせ』1巻は、女子中学生の「遊び」から始まるはずが、どんどん想像の外へ転がっていく学園コメディです。
中心になるのは、華子(はなこ)、オリヴィア、香純(かすみ)の3人。放課後の“あそ研”みたいなノリで集まって、ゲームをしたり、くだらない勝負をしたりするのに、毎回なぜか事態が大げさになります。
面白いのは、日常系のふわっとした空気じゃなくて、「勝負に本気」「負けたくない」「意地でも笑わせる」みたいな圧があるところです。
1巻の段階で、3人の性格の噛み合わなさがきれいに揃っていて、会話だけで読ませてきます。
読みどころ
1) キャラの“ズレ”が、笑いのエンジンになっている
華子はテンションが高くて、ノリが良い。
オリヴィアは可愛い顔で、言うことがずるい。香純は真面目で、ツッコミ担当のはずが、急に爆発する。3人が同じ教室にいるだけで、ずっと危険な空気が漂うんですよね。
この漫画は「誰かがボケて誰かがツッコむ」という形に固定しません。
その場の流れで役割が入れ替わって、全員が被害者にもなるし、加害者側にも回る。だから、毎話テンポが落ちないです。
2) “遊び”のはずが、毎回ちょっとホラー寄りになる
1巻を読んでいると、最初は普通に笑っているのに、途中で「今の顔やばくない?」ってなる瞬間があります。
表情の描き方が容赦ないので、ギャグのはずなのに怖い。怖いのに笑える。この振れ幅がクセになります。
3) 下品すぎないのに、攻めている
学園ギャグって、下ネタに頼ると一気に好き嫌いが分かれます。
でも『あそびあそばせ』は、言葉や表情の“勢い”で笑わせるタイプです。突然の変顔、間の取り方、会話のズレ。そういう技で殴ってくるので、1巻から強いです。
1巻で印象に残るところ(仲良しじゃないのに、離れない)
3人は、いわゆる「仲良しグループ」っぽく見えません。
むしろ、嫌なところを遠慮なく突いてくるし、すぐ煽るし、普通なら友達をやめたくなる瞬間が何度もあります。
それでも離れないのは、相性が悪いのに相性がいいからです。
誰かがやらかしたら、別の誰かがそれ以上にやり返す。だから関係がフラットになる。1巻は、その関係性が完成する前の、いちばん危ない時期を楽しめる巻だと思いました。
1巻の具体的な楽しさ(「遊び」の定義が、毎回ズレる)
この作品の“遊び”は、一般的なレクリエーションではありません。
最初は「放課後に暇つぶしする」みたいな空気なのに、途中から「その勝負、そこまで本気になる?」という方向へ振り切れます。
1巻の面白さは、遊びの内容そのものより、遊びに持ち込む感情の量です。
負けたくない、見栄を張りたい、相手を焦らせたい、恥をかかせたい。言葉にすると怖いのに、絵の勢いで笑えてしまう。華子の暴走にオリヴィアが乗っかり、香純が耐えきれずに爆発する。この流れが、何度読んでも強いです。
あと、地味に効いているのが「教室」という閉じた空間。
逃げ場がないから、会話がこじれたときの圧がすごい。そこに突然の変顔や、空気を読まない一言が落ちてきて、全部ひっくり返る。1巻は、その“崩し方”がいちばん分かりやすいです。
絵で笑わせる力(かわいい→怖い→かわいい、が一瞬)
ページをめくった瞬間、急に画風の違う表情が飛び出してきます。
このギャップがあるから、セリフが多少強めでも不快になりにくい。むしろ、感情が行きすぎた瞬間をちゃんと絵で回収して、笑いに変えてくれます。
「可愛い女の子の日常」を期待すると裏切られます。
でも「可愛い顔で平然と変なことを言う」タイプのギャグが刺さる人には、1巻の段階でかなりハマると思います。
電子版で読む楽しさ(間が速いほど、破壊力が増す)
この漫画は、ページをめくるスピードが笑いに直結します。
「え、今の流れでその顔になるの?」みたいな落差が多いので、テンポ良く読める電子版は相性がいいです。
逆に、疲れているときに読むと笑いすぎて体力を持っていかれます。
1巻は特に勢いが強いので、気分転換に1話ずつ読むのもおすすめです。
こんな人におすすめ
- とにかくテンポが速いギャグ漫画を読みたい人
- 日常系の皮をかぶったカオスが好きな人
- 変顔と会話の破壊力で笑いたい人
感想
1巻を読んでまず思うのは、「この3人、同じ教室にいていいの?」です。
空気がいつも荒れているのに、なぜか爽やかに終わる回もある。その不思議さが魅力です。
キャラの可愛さで売る漫画ではなく、キャラの“面倒くささ”で押してくるのが好きでした。
そして、その面倒くささが、読む側の疲れにならないように、ギャグの構造がちゃんと設計されている。1巻は、作品の爆発力をそのまま味わえるスタートです。