レビュー

概要

『桜蘭高校ホスト部』1巻は、桜蘭学園に集うエリートたちが、自身の身体と振る舞いを“ホストらしいリズム”に再調整していく学園ラブコメだ。主人公・藤岡ハルヒは、男装の女の子として入学し、お金持ちのホスト部のメンバーと対峙しながら、自らの身体を再定義していく。

読みどころ

  • ホスト部の立ち振る舞いでは、呼吸と視線のコントロールが強調される。彼らが相手の目をじっと見るとき、台詞の間に休符が生まれ、それが相手の呼吸を巻き込むループとなっている。
  • ファッションショーの準備では、身体の角度と動きの連続をコマで分解し、読者に身体の使い方の再現性を提示。ホストとしての「空気」の作り方が丁寧に描かれている。
  • ハルヒがホストとしての本質に近づく過程では、自身の心拍と相手の脈の同期に注目し、身体を“共鳴”させる試みになる。

類書との比較

大人の世界を描く少女漫画としては『彼女、お借りします』などに近いが、本作は身体的なリズムと空気感に重心があり、ホスト部という社会的な場を通じて身体の統御を再構築する点に新しさがある。

こんな人におすすめ

  • 身体と関係性のリズムを再設計したい人。
  • ホスト的な立ち振る舞いに興味のある読者。
  • 自分の身体を他者と“合わせる”ことを考える人。

感想

1巻は身体の調整を通じて自分を再構成する物語であり、読了後に自分の呼吸と対話する時間の選び方を再考することになる。

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本の虫達

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    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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