レビュー
概要
純愛を丁寧に追いかける学園ラブストーリー。主人公・仁菜子は、運命の相手と思っていた高校生・蓮と距離を縮める一方、友人との友情や自分の心をもっと深く見つめざるを得ない。1巻では、蓮との会話と、兄のような存在の存在感のバランスを取り、恋心をひとつずつ確かめる様子が描かれる。
読みどころ
- ふたりの視線が重なりあうコマをゆっくり描写し、背景のトーンや余白の使い方が彼女の気持ちの変化と美しくシンクロする。
- 仁菜子が友人に相談しながら、恋心をマップ化するような行動を取り、些細な会話の噛み合わせが大人になる過程を示す。
- 蓮の周囲に漂う影や、兄の看護師という役割が時間をコントロールするように挿入され、三角関係の緊張がじっくり生まれる。
類書との比較
『好きっていいなよ。』の静かな空気と、『ストロボ・エッジ』のストレートな感情表現を合わせたような、がむしゃらな純愛と思考の深さを共有。『君に届け』同様、いい人すぎる主人公とその周囲のやさしさが光る。
こんな人におすすめ
- 恋に踏み出す勇気が欲しい読者。
- 男子との距離を模索する少女の胸の内を探りたい人。
- 恋愛漫画で丁寧な描写と心の機微を両方楽しみたい方。
感想
優しい雰囲気の中に、走り続ける感情が垣間見え、読み終えたあとも胸の奥に温かい余韻が残った。初恋の真っ直ぐさと、安心と不安を抱えたまま進む様子が魅力的。