レビュー
概要
インターネットを舞台に、匿名集団が予告動画を通じて社会に警鐘を鳴らす事件を描くサスペンス。第1巻では、主人公のリーダーが自らの手で犯罪を計画し、警察との心理戦に入りながら「法の盲点」を照らし出す。メディアと市民の歪められた関係が鋭く描かれ、この若者たちの行動が賛同だけでなく恐怖も引き起こす。
読みどころ
- 予告動画の構成と解説が同時に進み、視聴者がどう感情を動かされるかが連続で描写される。「カメラのフレーミング」が犯行予告以上に物語の緊張を生む。
- 警察内部の事情、世論の反応、メディアの取り次ぎ方までサイドストーリーで扱い、技術的なノイズと人間の吐息が重なってくる。
- 終盤の爆破予告では、時間軸を分割した演出が用いられ、「予告」と「実行」が交差する瞬間を鮮明にする。
類書との比較
『寄生獣』のような哲学的側面と『LIAR GAME』のようなゲーム性が掛け合わさる構成。社会を問い直すという点は『MONSTER』に通じるが、こちらは現代テクノロジーを活用してよりスピード感を出す。
こんな人におすすめ
- ネット社会の光と影をサスペンスで考えたい読者。
- 犯罪を通じた社会批評に引き込まれる人。
- 変則的な正義の物語を好む読者。
感想
予告に従いながら想定外の事態が生じるスリルと、登場人物の動揺が混じり合い、読み進める手が止まらなかった。ネット世論の流れを敏感に捉え、現代社会の薄氷の上を歩いているような読後感が残る。