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レビュー

概要

『ボボボーボ・ボーボボ』1巻は、「鼻毛真拳」を使う主人公ボーボボが、毛狩り隊という理不尽な敵に立ち向かうギャグバトル漫画です。設定だけ聞くと意味不明ですが、実際に読むとさらに意味不明です。それでも不思議と前へ読まされるのは、作品全体が「何でもあり」の勢いを最後まで徹底しているからです。

1巻では、支配者側が人々の髪を狩るという世界観、ボーボボの登場、ビュティとの合流、そしてバトル漫画の形を借りたナンセンスの連打までが一気に出そろいます。最初の1冊で、この作品がまともな論理では読まない方がいい漫画だと完全にわかります。

読みどころ

いちばんの読みどころは、バトル漫画の文法をギャグへねじ曲げる力です。普通なら緊迫する場面で急に意味不明の寸劇が始まり、強敵との対決中に会話の方向がまったく別へ飛ぶ。それでも絵面と勢いで押し切ってしまうので、読者は理解するより先に笑わされます。

また、ビュティのツッコミがかなり重要です。ボーボボ側の言動があまりに自由なので、誰かが常識の位置から驚いてくれないと読者が迷子になります。ビュティがひたすら正気を保っているからこそ、作品全体の狂い方がはっきり見えます。ボケだけでなくツッコミの強さで成立している漫画です。

さらに、意味不明なだけで終わらず、キャラクターの見た目や必殺技のインパクトがちゃんと記憶に残るのも強いです。鼻毛真拳、毛狩り隊、ハジケリストという単語の時点で、他に代わりがありません。1巻から固有名詞の破壊力が強く、シリーズの顔がすぐわかります。

1巻としての導入もかなりうまいです。世界観の説明をまともにやりすぎると勢いが死ぬ作品ですが、本作は説明そのものを笑いに変えながら進めます。敵の理不尽さ、ボーボボの無茶、ビュティの常識的な反応が短いページ数で一気にそろうので、「この漫画はこう読むものだ」というモードへすぐ入れます。

また、ギャグ漫画でありながら、ページをめくるリズムにちゃんと起伏があるのも見逃せません。くだらない会話が延々と続くのではなく、場面転換やバトルの見せ場を挟みながら暴走していくので、読んでいて飽きにくいです。勢い任せに見えて、読ませる設計はかなり巧いです。

類書との比較

不条理ギャグとしては『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和』や『幕張』のような系統とも近いですが、『ボボボーボ・ボーボボ』はバトル漫画の外見を最後まで保っている点が大きく違います。戦っているはずなのに、会話も展開も一瞬で別物になる。このズレが独特です。

また、『銀魂』のようなパロディ作品と比べても、元ネタの理解より勢いの強さが前に出ます。参照先を知らなくても笑えるし、むしろ意味を考え始めると置いていかれる。理屈を飛び越えるタイプのギャグ漫画としてかなり特異です。

こんな人におすすめ

  • 常識が壊れるギャグ漫画を読みたい人
  • バトル漫画の形式を使ったパロディが好きな人
  • テンポと勢いで笑わせる作品に弱い人
  • まじめに読むほど面白くなる変な漫画を探している人

感想

この1巻を読むと、笑いの理屈を考えること自体が無意味に思えてきます。もちろん構造はあるのですが、読む側はそれを分析する前に次の変な展開へ放り込まれる。だから「何が面白いのか」を説明しきれないまま笑ってしまう。そこがこの作品の強さです。

個人的には、ただカオスなだけでなく、少年漫画としての見せ場をわざと残しているところも良かったです。敵が強い、仲間が増える、必殺技がある、といった骨格は残っている。その上に全部おかしいものが乗るので、読み味が単なるシュールギャグより豊かです。

1巻の時点で好みはかなり分かれると思いますが、刺さる人には一気に刺さります。まともな説明を拒否するようでいて、作品としての勢いは異様に強い。ギャグ漫画の極端な一例としてだけでなく、ジャンプ漫画の変種として見てもかなり面白い1巻でした。

理屈の外側にある笑いが、この漫画の強さです。ギャグ漫画の中でもかなり極端な部類です。最初から全開なので、1巻だけで作品との相性がはっきりわかるのも親切です。合う人には何度読み返しても変な笑い方をしてしまうタイプの漫画です。

「意味がわからないのに面白い」という体験をここまで真正面からやる漫画は珍しいです。バトル漫画の熱さもギャグ漫画の崩れ方も両方入っているので、ジャンプ作品の変化球として読んでもかなり印象に残ります。

勢いで笑いたい時にかなり強い1冊です。

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    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

    元外資系コンサルタントから転身したライター。経済学の知識を活かしながら、健康・お金・人間関係の最適化を追求。エビデンスベースの実践的な知識発信を心がける。

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