レビュー
概要
大学進学を控えている主人公・野田恭子が、母親の死や恋愛観に揺れる中、真摯に自分と向き合う姿を描いた青春ラブストーリー。保育士を目指すクラスメイト、元彼との再会、そしてひょんなことから関わる新たな男性との交際が物語の中心。物語は、恭子の心のループを丁寧に拾いながら進んでいく。
読みどころ
- 恭子の繊細な心情を、細部まで描き込まれた表情と背景でサポートし、読者は彼女の「もう一歩」を追体験できる。
- 恋愛に関する過去のトラウマと母との関係が、同時に浮かび上がる構成のため、単なる三角関係とは一味違う深さが生まれる。
- 1巻ラストで、恭子が自分の気持ちを言葉にする場面は、言葉にならない想いを絵で伝える手法が光る。
類書との比較
『NANA』が大都市の熱量なら、こちらは優しい静かな空気で恋愛の甘さと痛さを描く。『オレンジ』の心理描写と通じるところがありつつ、母親との関係の描き方に特徴がある。
こんな人におすすめ
- 内面の揺れを丁寧に楽しみたい少女マンガ読者。
- 過去に寄り添うことで新しい恋を育てたい人。
- 淡くてしみるような恋愛描写が好きな方。
感想
読むたびに心が締め付けられるような余韻が残り、次の巻の展開が気になる土台。静かな温度が長く残る一冊。