レビュー
概要
住み込み寮「河合荘」で生活する大学生たちのぶつかり合いと友情を描く群像ラブコメ。勉強一筋の主人公・宇佐が、自由気ままな女子寮生たちのペースに振り回されながら、成長と恋の可能性を探っていく。第1巻は、登場人物それぞれが持つ「空白」と「欲望」を挟みながら、日常のなかの小さな事件をまるごと魅力に変えていく。
読みどころ
- 寮内の騒動や友人同士のやり取りがテンポよく描かれ、余白やモノローグが感情の振れ幅を視覚化。宇佐の「真面目」と周囲の「奔放さ」が対比され、静かなる緊張を生む。
- 文化祭準備やコスプレなどのエピソードを挟みつつ、主人公が自分の居場所を見定める心理的な行き来が丁寧。
- シリーズの長い眠りを予感させるラストでは、奥手な恋心がよろよろと進む様が描かれ、読者も自分の距離感を測らされる。
類書との比較
『日々ロック』のような若者たちの爆発するエネルギーと、『月刊少女野崎くん』のようなラブコメ的なリズムの間にある構成で、少しシリアスに踏み込む。
こんな人におすすめ
- 崩壊寸前の寮生活を、笑いと切なさの両方で楽しみたい人。
- 不器用な恋愛や友情が描かれる群像劇が好きな読者。
- 落ち着いたテンポとキャラの成長を追いたい方。
感想
静かな爆発がいつの間にか胸に迫り、終盤ではキャラクターたちの温度差が一周して味わい深くなる。河合荘の空気が心地よい導入だった。