レビュー

概要

『覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰』は、吉田松陰の言葉や思想を、現代の読者が受け取りやすい形に“超訳”してまとめた一冊です。歴史の本というより、気持ちがぐらついたときに読む「言葉のメンテ本」に近いと思いました。

私は、やる気があるのに行動できないときって、能力不足より“覚悟の置き場所”が散らかっていることが多いと感じます。決めきれない。迷いを抱えたまま、スマホの情報だけ増える。そういう時にこの本は、難しい理屈ではなく短い言葉で、背筋をすっと伸ばしてくれます。

もちろん、読むだけで人生が変わるわけじゃないです。でも「ここから逃げない」の一線を引くのに、言葉の強さは必要なんですよね。私はこの本、落ちたときに持ち直すための“芯”を作ってくれるタイプだと思いました。

読みどころ

1) 1つ1つが短く、今の生活に入りやすい

この本は、長い解説を読んで理解するというより、短い単位で刺さります。SNSの短文に慣れている人ほど相性がいいと思います。私は、通勤や寝る前にぱっと開いて読める軽さが助かりました。

短いのに浅いわけではなく、むしろ「短いから逃げられない」感じがあります。言い訳ができない。そこが効きます。

2) 「気合い」ではなく「責任の引き受け方」の話として読める

覚悟って、根性論に寄るとしんどいです。でも本書で言われる覚悟は、気合いで自分を追い込むことではなく、「自分の選択を自分で引き受ける」方向に近いと感じました。

私はこれを、自己肯定感を上げる本というより、自己信頼を作る本だと思いました。できるかどうか以前に、決める。決めたらやる。そこに戻してくれます。

3) 自分に厳しい言葉が、なぜか優しく感じる

不思議なんですが、優しい言葉より厳しい言葉のほうが、落ち込んでいるときに助かることがあります。優しさって「そのままでいい」で止まりやすい。でも厳しさは「じゃあ次どうする?」まで連れていく。

私はこの本を読んで、厳しさって“前に進める優しさ”にもなり得ると思いました。

本の具体的な内容(どう読めばいい?)

内容は、吉田松陰の思想をベースにした短い文章が続きます。私は、最初から順番通りに読まなくてもいいと思いました。気になったページを開いて読んで、引っかかった言葉を1つだけメモする。これが一番使いやすいです。

実際、人生の迷いってテーマが散らかっています。仕事、恋愛、人間関係、将来。全部まとめて解決しない。その代わり、今の自分に一番近い問いを1つ選んで、そこだけを整える。そういう読み方が合います。

合う人・合わない人

合うのは、次のタイプです。

  • やりたいことはあるのに、決めきれない
  • 気持ちがブレて、行動が遅くなっている
  • 自己啓発が苦手だけど、言葉の力は借りたい

逆に、歴史的事実の詳しい解説を期待すると違うかもしれません。これは「松陰の人生を学ぶ」より、「松陰の言葉で自分の今を整える」本です。

注意点(合わない日もある)

この本は、甘くありません。心が弱っている日に読むと、きつく感じるページもあると思います。そういう日なら、無理せず閉じるのも正解だと思いました。

厳しい言葉が必要な日もあれば、休む言葉が必要な日もある。どちらも大事です。

私が「覚悟」を現実に落とすときに意識したこと

読んでいる最中は、気持ちが上がります。でも本当に大事なのは、読み終えたあとに何をするかです。

私は、この本を読んだ日は次の3つのうち、どれか1つだけやると決めました。

1つ目は、やることを1つに絞ること。覚悟って、全部を背負うことじゃないです。今の自分が引き受けるのは、目の前の1つでいい。

2つ目は、やらないことを決めること。やることを増やすより、やらないことを決めると迷いは減ります。私はここが一番効きました。

3つ目は、締め切りを置くこと。覚悟は気持ちの問題に見えますが、実は時間の問題でもあります。期限がないと、決めたつもりで先延ばしします。

こういう人には特に刺さりやすいと思う

私は、努力できる人ほどこの本が刺さると思いました。努力できる人は、努力できない自分に失望しやすいからです。

頑張れるのに、決められない。 選択肢が多すぎて動けない。 責任を取りたくなくて逃げるんじゃなく、失敗が怖くて止まる。

このタイプの人には、本書の言葉が「怠けてるわけじゃないけど止まってる」を、もう一度前へ動かす力になります。

まとめ(私はこう使いたい)

私はこの本を、毎日読むというより「決めたい日に読む」本として置いておきたいです。落ち込んだ日に慰めてもらうのではなく、迷いが増えた日に軸を戻す。

覚悟は、生き方を立派にするための言葉ではなく、自分の時間を取り戻すための言葉でもある。私はこの本を読んで、そう感じました。

まとめ

『覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰』は、覚悟を“磨く”という言い方がちょうどいい一冊でした。決意を一度立てて終わりではなく、日々の迷いで曇るたびに磨き直す。その発想が、今の時代に合っています。

私は、何かを始めたいのに動けないとき、この本をおすすめしたいです。読むと、やるかやらないかがはっきりします。はっきりしたら、次の一歩が出ます。

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