レビュー
概要
プロフェッショナルなスナイパー・デューク東郷を主人公に、世界の危機を右翼姿勢のない冷徹な視点で描くアクションサスペンスの第1巻。各話が独立したミッションを持ち、東郷が銃と心理、地理を読みながらターゲットに迫る。物語は無駄のない構成で、どのコマも正確な観察と計算が光る。
読みどころ
- 世界各地の政治状況を数行で表現し、東郷の選ぶ銃や照準の位置が戦略的に決まる。地形と気象、支持者の配置がミリ単位で記述されることで、一発の価値が伝わる。
- 敵側の心理や時間軸を並列に示す構図が多く、ただ撃つのではなく、相手を追い詰めるまでのプロセスが丁寧になる。
- 1巻では“スナイピング”の哲学が語られ、「殺す」ことより「任務を完遂する」ことに重心があり、観客の視点が問われる。
類書との比較
『シティーハンター』のような軽妙さより、『沈黙の艦隊』に近い政治的な細部と冷徹な視線。『HUNTER×HUNTER』のような戦略より、リアル世界のスケールで冷静な計算を重視する。
こんな人におすすめ
- 短編形式で重厚なスパイアクションを読みたい人。
- 銃撃戦の背後にある政治・心理・地理に興味がある読者。
- 主人公よりも事件の構造を追う方が好みの方。
感想
東郷が狙撃の先に国家の未来を見据える姿が、巻末までわたって静かに光っていた。全体に流れる冷たい天才性が、スピード感を保ちつつ圧を生む。今後も想像力を掻き立てる世界観が期待できる。