レビュー
「寒い、眠い、お腹すいた……最高」
ソロキャンプを愛する女子高生・志摩リンと、アウトドア初心者の各務原なでしこ。二人の出会いから、ゆるやかなキャンプ生活が始まる。
キャンプ漫画に見えて、この作品の本質は「一人の時間」と「誰かとの時間」のバランス。リンは一人が好き。でも、なでしこたちと過ごす時間も悪くない。どちらも否定せず、どちらも肯定する。
あfろの風景描写は美しい。富士山、南アルプス、静岡・山梨の自然。読んでいるだけで深呼吸したくなる。聖地巡礼したくなるのも頷ける。
キャンプ飯の描写も秀逸。カップ麺から始まり、鍋、BBQ、燻製。寒い夜に食べる温かい料理の幸福感が伝わってくる。
「ゆるい」と銘打っているが、キャンプ知識はガチ。装備選び、火起こし、マナー。初心者の入門書としても優秀だ。
読後は確実にキャンプに行きたくなる。でも、リンのように「行かなくても想像するだけで楽しい」のも、この漫画の教えかもしれない。