レビュー

「世界は思っているより良くなっている」。データで常識を覆す、目から鱗の一冊。

著者のハンス・ロスリングは、スウェーデンの医師で統計学者。TEDでの講演は数千万回再生されている。本書は彼の遺作となった。

冒頭のクイズが衝撃的だ。「世界の1歳児で予防接種を受けている割合は?」「世界中の30歳男性は平均何年学校に通った?」。ほとんどの人が実態より悲観的な答えを選ぶ。チンパンジーがランダムに選んだ方がマシなほどに。

なぜ私たちは世界を正しく認識できないのか。本書は10の「本能」を挙げる。分断本能、ネガティブ本能、直線本能など。これらの本能がデータを歪めて認識させる。

「悪いニュースは報道され、良いニュースは報道されない」。この構造を知るだけで、世界の見え方が変わる。悲観でも楽観でもなく、事実に基づいて判断する。そのための必読書。

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