『投資の大原則[第2版] 人生を豊かにするためのヒント』レビュー
著者: バートン・マルキール / チャールズ・エリス / 鹿毛雄二
出版社: 日本経済新聞出版社
¥1,584 Kindle価格
著者: バートン・マルキール / チャールズ・エリス / 鹿毛雄二
出版社: 日本経済新聞出版社
¥1,584 Kindle価格
つみたてNISAやiDeCoをきっかけに投資を始めたい人向けに、長期投資の原則を「Keep it Simple(シンプルにいこう)」という合言葉でまとめた本です。
『ウォール街のランダム・ウォーカー』のバートン・マルキールさんと、『敗者のゲーム』のチャールズ・エリスさんという2人の著者が、シンプルな投資(KISS Investing)を実践するための「5つのルール」を軸に、手順を解説します。第2版では、データを最新のものにアップデートしていると紹介されています。
投資本は、個別株の当て方やマーケット予測に寄るものも多いですが、本書は「一生お金で困らないために、長期で淡々と積み上げる」方に軸足があります。
情報が多いほど不安になって、やることを増やしてしまう人に対して、「シンプルにするほど強い」という方向に引き戻してくれるのが、この本の役割だと思います。
紹介文では、次の5つのルールが挙げられています。
個人的に良いと思ったのは、この5つが「何を買うか」よりも「どう続けるか」に寄っているところです。投資は最初に気合いが入っても、続けられなければ意味がありません。制度の活用や、リバランスのような“運用の型”を先に入れておくと、迷いが減ります。
投資でやりがちなのは、「うまい方法」を探して複雑にしてしまうことだと思います。でも、複雑になるほど、続けるハードルが上がる。すると、焦って売買が増えたり、制度のメリットを取りこぼしたりしやすくなります。
この本が示す5つのルールは、そこを逆向きに設計しています。
どれも派手さはないけれど、だからこそ“100年人生”のような長い時間軸に耐えやすい。個人的には、投資を「一発で当てる競技」ではなく、「生活の中に置く習慣」として捉え直せるのが、この本の価値だと思いました。
投資の世界は、情報が多いほど不安になりやすいんですよね。予測記事を読んで、SNSの意見を見て、結局「いま買うべき?売るべき?」で頭がいっぱいになる。
この本の良さは、そういう状態から「Keep it Simple」という一言で引き戻してくれるところだと思います。制度を使う、分散する、リバランスする、そして惑わされない。言うのは簡単だけど、迷いが増えるほど難しくなるので、こういう“原則のチェックリスト”があると安心感が出ます。
特に、つみたてNISAやiDeCoみたいに「続けることが勝ち筋」になりやすい制度と相性がいいです。投資で一番大事なのは、派手な判断より、淡々と続けられる仕組みを作ること。この本は、そのための背骨を作ってくれる一冊だと感じました。
また、紹介文には「リーマン・ショックなどの異常事態」にも触れている旨があり、平時だけでなく“荒れたときにどう振る舞うか”まで視野に入っているのも安心材料だと思いました。相場が荒れると、原則を守るのが一番難しくなるので。
ルールを全部やろうとすると続かないので、迷ったらまずは次の3つだけで十分だと思います。