レビュー
「バスケがしたいです」——日本中を泣かせたあのセリフは、この漫画から生まれた。
不良少年・桜木花道がバスケットボールと出会い、仲間と出会い、成長していく物語。スポーツ漫画の金字塔であり、日本のバスケ人口を激増させた社会現象。
井上雄彦の画力は連載とともに進化し、後半の試合シーンは「漫画」の領域を超えている。特に山王戦のラスト数分間、セリフを排した「無音」の演出は、今なお語り継がれる伝説だ。
桜木だけでなく、流川、三井、宮城、赤木。湘北メンバー全員に物語があり、全員が成長する。そして敵チームにすら感情移入してしまう深み。「敗者にも正義がある」という描き方は、井上雄彦の真骨頂。
「諦めたらそこで試合終了ですよ」——安西先生のこの言葉は、スポーツに限らず、人生のあらゆる場面で力をくれる。
連載終了から30年近く経った2022年、映画『THE FIRST SLAM DUNK』が公開され、新たな世代にも届いた。時代を超えて愛される理由がここにある。