レビュー
「海賊王に俺はなる!」——この一言から始まる、少年漫画の金字塔。
麦わらのルフィが仲間と共に「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を目指す冒険譚。1997年の連載開始から四半世紀以上、世界で最も売れた漫画としてギネス記録を持つ。
この作品の本質は「仲間」だ。ルフィは決して万能のヒーローではない。料理ができない、航海術もない、嘘もつけない。だからこそ仲間が必要で、だからこそ仲間を命がけで守る。「おれは助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある!」というセリフに、尾田栄一郎の描く強さの定義が凝縮されている。
各編で描かれるのは、支配と自由、差別と平等、正義と悪といった普遍的なテーマ。子供向けに見えて、権力構造や歴史の闘争を巧みに寓話化している。アラバスタ編、ウォーターセブン編、頂上戦争編と、名作エピソードは枚挙にいとまがない。
「人はいつ死ぬと思う?忘れられた時さ」——Dr.ヒルルクのこの言葉のように、忘れられない名言が随所に散りばめられている。
長い。とにかく長い。だが読み始めれば、その長さが「一緒に冒険してきた時間」に変わる。最初の一歩を踏み出すなら、今この瞬間だ。