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レビュー

概要

『アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法』は、コミュニケーションで疲れやすい人に、「言い方」ではなく「関わり方」を教えてくれる本です。タイトルの通り、アサーションは“自分も相手も大切にする自己表現”。主張の強さを上げるための本ではなく、関係を壊さずに、必要なことを伝えるための土台づくりです。

会話がうまくいかないときって、実は「何を言うか」より「どういう前提で話しているか」がズレていることが多いんですよね。言いたいことを飲み込み続ける人もいれば、反射的に強く出てしまって後悔する人もいる。本書はそのズレを、心理学の知恵で読み解きながら、建設的なやり取りに組み替えていきます。

読みどころ

1) 「自己表現=わがまま」ではない、と定義から立て直す

主張することに罪悪感がある人は多いです。でもアサーションは、相手を押しのける自己主張ではなく、相手の立場も尊重しつつ、自分の気持ちや要望を伝える方法。本書はこの定義を軸に、会話の見え方を変えてくれます。

2) 人間関係の“すれ違い”を、心理学の言葉で整理できる

感情が絡む会話は、正しさの勝負になりがちです。本書は、会話を心理学の知恵で読み解くことで、何が起きているかを整理します。整理できると、相手を責めるより先に「どう調整すればいいか」に戻れる。ここが、関係を壊さないために効きます。

3) 「充実感」をゴールに置くのが優しい

コミュニケーション本は、話術の上達がゴールになりがちですが、本書は“変化と充実感”を目指すと言います。うまく言えるようになることより、関係の中で消耗しないこと。だから、読む側が焦らずに取り組めます。

本の具体的な内容

本書の説明文では、「コミュニケーションがうまくいかないときや人間関係が難しいとき、アサーションを理解すると関わりを建設的に変えられる」と語られます。アサーションを、日常のやり取りに変化と充実感をもたらす方法として位置づけ、心理学の知恵をもとに会話を読み解く、という流れです。

章立てとしても、「アサーションとは何か(自分も相手も大切にする自己表現)」「人として誰もがやってよいことを認め合う」という土台から入り、「考え方をアサーティブにする」「アサーションで身につく3つの力」「心に届く伝え方」といった項目へ進みます。言い換えると、言い回しのテクニックより先に、“考え方→関係→伝え方”の順で整えていく入門書です。

また、著者が第一人者として分かりやすく語る、という点も安心材料です。コミュニケーションは、理屈だけで割り切れないぶん、誤解されやすいテーマでもあります。だからこそ、土台となる考え方を一本通してくれる入門書は、手元に置いておく価値があります。

類書との比較

自己啓発系のコミュニケーション本には、「好かれる話し方」や「断り方のテンプレ」など、即効性に寄ったものも多いです。本書はその逆で、“相手と自分の両方を大切にする”という原則から入ります。テクニックで乗り切るより、関係の前提を整えるタイプ。

だから、短期でスラスラ話せるようになりたい人より、長期で人間関係の消耗を減らしたい人に向いています。言い換えると、仕事や恋愛、家族など、場面が変わっても使える軸が欲しい人向けです。

こんな人におすすめ

  • 言いたいことを飲み込んで疲れることが多い人
  • 強く言ってしまって後悔しがちな人
  • 人間関係を“勝ち負け”ではなく“調整”で回したい人
  • 建設的に話したいのに、感情が先に立ってしまう人

感想

アサーションの良さは、「正しく言う」ではなく「関係を壊さずに伝える」に重心があるところだと思います。言えなかった自分を責めるのでもなく、強く出てしまった自分を責めるのでもなく、次はどう関われるかを考える。そのための土台を作ってくれるのが、本書の役割です。

コミュニケーションがしんどいときほど、会話のたびに自分の価値が試されているような気持ちになります。でも本書を読んでいると、会話は人格の勝負ではなく、利害や気持ちの調整だと思えるようになる。そういう意味で、言葉の技術というより“人間関係の呼吸”を整える一冊でした。

特に効くのは、「断りたい」「頼みたい」「謝りたい」「注意したい」みたいに、関係が揺れやすい場面だと思います。こういうとき、言わないで我慢すると心が削れるし、言い方を間違えると相手を傷つける。アサーションは、その間の道を探す考え方なので、日常で使うほど地味に効いてきます。

また、「相手も大切にする」という前提があるから、相手を言い負かす方向に行きにくいのも良いところです。勝つことが目的の会話は、結局あとで孤独になります。関係を続けたい相手がいる人ほど、本書の考え方は守りにも使えるし、前に進める力にもなると感じました。

焦らず、少しずつでOKな入門書です。

読後に残す3つのメモ(行動につなげる)

読み終えた直後の余韻は、数日で薄れていきます。 次の3つだけメモしておくと、この本(この巻)の学びや刺さった感情を、日常に持ち帰りやすくなります。

  • 刺さった一文/場面(どこが動いたか)
  • それが刺さった理由(いまの自分の状況との接点)
  • 明日から変える小さな行動(または、やめること)

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    大手出版社で書籍編集を10年経験後、独立してブロガーとして活動。科学論文と書籍を融合させた知識発信で注目を集める。
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    佐々木 健太

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