レビュー

全人類が石化した世界で、科学の力だけで文明を取り戻す——。

「唆るぜ、これは!」が口癖の天才科学少年・千空。彼が数千年後の石の世界で目覚め、ゼロから科学文明を再構築していく物語だ。

この漫画の凄さは「本当に作れる」ところ。火薬、抗生物質、携帯電話、果ては宇宙船まで。千空が作るものは全て、現実の科学に基づいている。原作の稲垣理一郎は徹底取材で裏付けを取り、読者が追体験できるレベルで解説してくれる。

Boichiの作画も圧巻だ。実験の躍動感、仲間との絆、敵との激突。少年漫画のカタルシスと科学のロジックが見事に融合している。

「科学は地道な積み重ね」というメッセージも響く。千空は何度失敗しても「100億%成功する」と言い切り、トライ&エラーを繰り返す。この姿勢は、科学に限らず全ての挑戦に通じる。

子供の理科離れが叫ばれる今、この漫画は最高の入門書だ。読み終わる頃には、身の回りのモノがどう作られているか知りたくなる。科学の楽しさを思い出させてくれる傑作。

この本が登場する記事(9件)