レビュー

「明治末期の北海道を舞台にした、金塊争奪サバイバル」。アイヌ文化と冒険活劇の融合。

日露戦争帰りの元兵士・杉元佐一は、アイヌの少女・アシリパと出会い、莫大な金塊を探す旅に出る。金塊の在処は、脱獄囚たちの体に彫られた刺青に隠されている。

アイヌ文化の描写が圧巻だ。狩猟、料理、言葉、信仰。徹底した取材に基づいた描写は、エンターテインメントを超えた資料的価値がある。「ヒンナヒンナ」が読者の間で流行語になった。

グロテスクな暴力描写とコミカルなギャグが同居する不思議な作風。シリアスとコメディの振り幅が激しいが、それが癖になる。

2022年に完結。最後まで勢いを失わなかった傑作。北海道に行きたくなる、アイヌ文化に触れたくなる作品。

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