レビュー

「怖い」と避けられていた少女が、初めて「好き」を知る物語。

黒沼爽子。長い黒髪と青白い顔から「貞子」と呼ばれ、クラスで浮いている。でも本当は誰よりも純粋で、人の役に立ちたいと願っている。そんな彼女の人生を変えたのが、クラスの人気者・風早翔太との出会いだった。

この作品の魅力は、爽子の「気づき」の丁寧さ。友情とは何か、自分を好きになるとは何か、恋とは何か。ゆっくりと、でも確実に成長していく爽子を見守る時間が、読者自身の心も温める。

風早くんは「少女漫画の理想の男子」と言われるが、実は彼も悩み、迷う一人の人間として描かれている。完璧じゃないから、二人の関係に説得力が生まれる。

千鶴とあやね、二人の親友も素晴らしい。女子の友情を、嫉妬や依存ではなく「応援し合う関係」として描いたのは画期的だった。

恋愛ものに見えて、テーマは「自己肯定」。自分を好きになれない全ての人に、この物語は「あなたはあなたのままでいい」と伝えてくれる。

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