レビュー

スパイ、殺し屋、超能力者。「仮初めの家族」が本物になっていく物語。

東西冷戦下の架空の世界。西国のスパイ「黄昏」ことロイド・フォージャーは、任務のため「家族」を作ることに。娘として迎えたアーニャは人の心が読める超能力者、妻となったヨルは凄腕の殺し屋。互いの正体を隠したまま、家族生活が始まる。

設定だけ見るとシリアスだが、読み味はコメディ。特にアーニャのリアクション芸が秀逸だ。「ちち」「はは」の秘密を知りつつ、彼女なりに家族を守ろうとする姿が微笑ましい。

遠藤達哉のキャラクター造形は巧み。ロイドは完璧なスパイなのに、育児には四苦八苦。ヨルは人を殺すプロなのに、日常では天然ボケ。ギャップが笑いを生む。

「血が繋がっていなくても家族」というテーマは普遍的だ。最初は任務だった関係が、本当の愛情に変わっていく。その過程が、読者の心を掴む。

アニメ化で爆発的ヒット。老若男女問わず楽しめる、今一番勢いのある作品の一つ。

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