レビュー
「人間とは何か」——この問いに、これほど鋭く切り込んだ漫画はない。
ある日、宇宙から飛来した謎の生物「パラサイト」が人間の脳を乗っ取り始める。高校生・泉新一は、右手に寄生した「ミギー」と共生することになる。人間を捕食する寄生獣たちとの戦いが始まる。
岩明均の問いかけは容赦ない。人間は地球の癌細胞ではないか。他の生物を殺して食べることの罪。「命の価値」とは誰が決めるのか。ミギーとの対話を通じて、新一は(そして読者は)人間中心主義を揺さぶられる。
バトル描写も秀逸だ。寄生獣の変形、高速戦闘、戦略的な駆け引き。グロテスクでありながら、美しさすら感じる画力。
田村玲子というキャラクターは特筆に値する。人間を捕食する敵でありながら、最も人間的な問いを投げかける存在。彼女の最期は、漫画史に残る名シーンだ。
1990年代に連載された作品だが、環境問題、種の多様性、共生という今日的なテーマを先取りしていた。時代を超えて読み継がれる理由がここにある。