レビュー

空腹を確かめ、食事に集中し、満腹で自然に終える。この一連の流れが、淡々とした描写で徹底される。派手さはないが、食欲の再学習にはこれほど効果的な物語は少ない。食事中の注意が散漫になりやすい大学生活において、本作は“食べる速度と感覚”を取り戻すための静かな指導書になる。読み終えた後、食事の間合いが少し変わる。