レビュー
「怪物を生み出したのは誰か」。浦沢直樹の代表作にして、サスペンス漫画の最高峰。
主人公のテンマは、ドイツで働く日本人脳外科医。ある日、重傷の少年を助けるために権力者の手術を後回しにする。その決断が、彼の人生を狂わせていく。
少年は「怪物」だった。成長した彼は連続殺人を犯し始める。テンマは自分が助けた怪物を追う旅に出る。
心理描写が秀逸。善と悪、正義と罪。単純な二項対立では語れない人間の複雑さが描かれている。読むほどに深みにはまる。
完全版は装丁も美しく、コレクションとしても価値がある。全9巻で完結。サスペンスの傑作を堪能したい人に。